変形地に建てた実例
造成計画と安全性の確保
一般的な場合、道路から下がった傾斜地に家を建てる際、擁壁工事を行い、盛土をして造成工事完了後、建築工事を行います。


弊社では、この傾斜地を削り(切土)、地盤を安定させた上で一段下がった位置に建築工事を行い、構造的な安定性と耐震性を高め、その後で擁壁工事を行っています。
また、一段下がった位置に建築することで、近隣の住宅への日当たり・通風への影響を軽減。街並みにもなじみやすい外観としています。





敷地の高低差を活かした構造と動線計画
高低差を活用することで、生活動線や眺望を最大化する計画を実現しました。


2階から入る玄関:道路の高さに合わせて玄関を設けることで、道路からのアクセスをスムーズに。鉄骨でブリッジを架け建物に入る方法を採用しました。

2階リビングの採用:玄関と同じ2階にLDKや水回りを配置し、家事動線がンパクトでスムーズに。駐車場→玄関→キッチンに繋がる買い物動線をコンパクトにし、上下階に移動することなく、同じフロアで家事も行え便利です。
眺望が良く、明るく開放感ある2階LDKの心地良い空間での暮らしを実現しています。
眺望と光を楽しむ空間設計
今回の設計の大きなテーマは、広大な眺望が日々の暮らしに彩りを添える心地良い空間設計。

玄関を入ると正面にある大きな窓から広大な景色が臨めます。
この景色を眺める動線を確保するため、ダイニングテーブルを丸テーブルにし、キッチンと丸テーブルの間を通れるように工夫。大きな窓越しに街並みを一望できる設計で、まるで高層マンションのような広大で素晴らしい景観を実現しました。

リビングの外に広がりを持たせ、リビングテラスを設けました。
リビングのソファに座ると北側の窓から安定した柔らかい光が入り、明るく心地良い空間に。2階LDKは、日当たり風通し良く、羽目板を施した勾配天井で開放感のある、心地良い空間になりました。


リビングテラスは、内と外を緩やかにつなぐ特別空間。
リビングの延長としての快適さと外部空間としての開放感もあり、周りの視線を感じないプライベート空間で、BBQやお家アウトドアなども楽しんでいただけます。

夜になると照明計画により柔らかな光がリビングテラスを包み込み、昼とは異なる穏やかな印象に。
朝のコーヒータイムから星空を眺める静かなひとときまで、暮らしの中心に自然が寄り添う空間として、豊かさを感じる場となることを願っています。

今回の計画地は一見すると設計上の制約となりやすい傾斜地ですが、私たちはその地形の個性を可能性として捉えました。緻密な地盤調査と構造設計により安全性を確保。傾斜地だからこそ得られる開放的な眺望を最大限に生かすことで、「豊かさ」と「快適さ」を兼ね備えた新しい生活価値を創り出しました。
今後、同様の敷地で住宅建築を検討されている方に、この事例が新たな可能性を感じていただけるものになりましたら幸いです。